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笹子トンネル天井崩落事故から考える [仕事]

「荒廃するアメリカ」

こんな言葉がある。

1980年代、アメリカの道路が建設から50年以上が経過し、
多くの道路が老朽化を迎えたものの、維持管理のための予算が確保されず、
橋梁が崩落したりと、社会問題化したことを指す言葉だ。


日本では、アメリカの道路建設のピークから遅れること30年。
高度成長期に多くの道路が建設された。
故に、1980年代から30年後、正に2010年代に、
アメリカと同じ様な状況が日本を襲う可能性があると指摘されてきた。

それが現実になってしまったかのような、中央道の笹子トンネルの事故。。。


公共事業予算が年々削減されてきている昨今、
公共事業=道路等の建設
という印象が強いが、
今後は、「建設」ではなく、維持管理に必要な費用が増大し、
将来的には、2037年というが、その時には、維持管理費用が投資可能総額を上回るとのことだ。
(投資可能総額は、2010年度と同等と仮定)

図:維持管理・更新費の推計(従来通りの維持管理・更新をした場合)
k1000660.gif
出典:平成21年度国土交通白書

一般の電化製品なんかは、交換部品の製造が中止になったり、
メンテナンスに多額の費用が掛かるからと、製品を廃棄するようなことが行われる。

しかし、社会基盤はそうはいかない。
古くなったので、この橋梁は廃棄します、
なんてことになったら、大混乱だ。

維持管理費に費用がかかるから、高速道路料金を上げます、
こんなこともあったら、文句たらたらの人も多く出るだろう。

今回の総選挙での公共事業に関する争点は、
このあたりのことを含んでいるのだろうか?



そうそう、それに加えて、
・道路や橋梁の経年劣化のデータが少ないこと
 (現状の道路や橋梁などの社会基盤は、できて50年というだけで、それ以上のデータがない)
・構造物の内側の点検技術がなかなか普及していない
 (例えば、非破壊検査技術)

造ることばかりに目を向けていたが、維持管理、メンテナンスを本格化しないと・・・
と、だいぶ前から問題視されてきたと思うのだが、
こうやって、「事故」という形で問題が顕在化するというのは、
なんともやりきれない。


総選挙でも、この辺を是非、争点にして欲しいと、切に願う。


だって、予算を決めるのは、国会だから。。。
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