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建設コンサルタントの価値を高めるには? [仕事]

先日、我が社の経営方針が示された。

今期の売上額が301億円。
来期には305億円。
3年後には350億円とする見込みだ。

で、その目標達成のための手段といえば、
1) 公共のみならず、民間も含めて新たな分野への展開
2) 更なる業務効率化
この2点が主たる手段のようである。

1)については、その展開分野と見込みについて何の言及もなし。
せいぜい震災復興に関わる展開くらいだ。
これでは困る。
税収不足と経済の低迷。。。
官も民も緊縮財政の昨今。
新たな発注は、そうそう見込めない。
そもそも建設コンサルタント業は、資産も施工能力も持たないため、
体力的に弱い。
そのため、PFIやPPPといった分野に出て行くにも、建設業企業との連携が欠かせないと思う。
この連携は、非常に難しい。
対等な関係での連携は望めないだろう。

一方、海外展開という事も考えられている。
うちの会社の事情からすると、もうしばらく海外展開は御法度ではあるが、
それを抜きにしても、とても微妙な状況だ。
円高、TPPの動向、コンセッション方式の発注、中国の台頭(安い労働力)、、、
どうも風向きが良くない。

ではどうするのが良いのか?
私見として、、、

省エネ、省コスト化、防災の3点に絞り込んだ建設コンサルタント業に特化して行くべきだろう
と思う。
省エネには環境分野も入る。
無論、エネルギー資源が乏しく、今般の原発事故を経験した日本では、
省エネが技術力向上と国際競争力確保の目玉になるはずだ。
省コスト化は、省エネの一部も含む。
ただし、力点は、人口減少社会下における社会基盤の維持管理と整備にある。
費用を極力抑えて、現状の文化的な生活水準を維持するのだ。
そのためのアイディア出しと具体化の方策、実現への道筋を提供するのが
建設コンサルタントの役割というわけ。
防災は永久的な課題だ。
防災対策はキリがない。
その代わり、我が国では自然災害が頻発していて、
どれだけ防災対策をとっても、最終的には自然には敵わない。
だから正確には「減災」対策と言った方が良い。
そして、その対策は、来る自然災害により何らかのダメージは受ける。
よって、この分野は継続的なにーずがあるというわけ。
更に今般の津波被害により、ハード的な対策のみならず、
地域連携や防災意識の養生の重要性が再認識されたことから、
その分野も市場がある。

2)について。
これはもう、効率化がかなり進んでいる。
効率化向上の限界費用はかなり高い。
そこで着目するのが、以下のデーターだ。
http://www.systemrun.co.jp/NEWS/14_tanka.pdf
見ての通り、建設コンサルタントの労務単価は下がってきている。
これを我が社の売り上げ推移と比較すると、比較的相関が高い。
無能派集団の政党が声高に叫ぶ
「コンクリートから人へ」
の大号令の下での建設予算圧縮の影響も十分にあると思うが、
日本経済を牽引すべき公共事業における単価がこれ程までに減少傾向だと、
デフレの脱却なんかできっこない。

それゆえに、、、
この単価を適性水準に戻すことが先決だと思う。
仮に1%向上したとすれば、我が社の売上は304億円になり、
来期の目標にほぼ到達する。
更に、これにより、品質も向上することは明らかだろう。
成果品が紙資料中心である建設コンサルタントでは、
業務効率化の範囲や費目が不明瞭であり、
効率化が、ともすると品質低下につながる。

このような取り組みは、社長を中心に、
建設コンサルタント業界や学識経験者、更には政治家も巻き込んだ議論としなければにならない。
しかし、我が社の経営方針にはその記述はない。
もっといえば、社長を中心とする経営陣の活動方針は何も記載されていない。

今の社長は人が良い。
それは、以前の社長のひどさがあるから、余計に人の良さが目立ち、
社員も安心し切っているのだろう。
しかし、今の社長、あまり頭が良くない。
戦略的でないというか、分析能力に乏しいというか。。。
この辺は、参謀クラスがあしっかりすべきだが、
旧体制の膿を出し切った結果、
経験に乏しい経営陣が揃ってしまった。

だから、
外部の血を入れることも止む無しなのではないだろうか?
経営のプロフェッショナル、ゼネコンからの引き抜き・・・
いつまでも、純血を守り、技術家が慣れない経営ごっこをしていたら、
そのうち、取り返しのつかないことになる。
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